【営業が苦手だった新人時代の失敗】〜「オススメありますか?」に飛びついた私の過ち〜

【営業の軸・思想】選ばれつ続ける営業の考え方

金融業界に入ったばかりの頃。

私は、“聴くこと”だけに必死だった。

というか、

それしかできなかった。

自分から踏み込んで質問することもできない。

話を深掘りすることもできない。

会話はいつも受け身。

営業マンというより、

ただの“聴き役”のような存在だった。

そんなある日。

いつも気さくに話してくれるお客様から、

ふと、こんな一言をいただいた。

「何かオススメありますか?」

当時の私は、

この一言を“営業の最上級の言葉”だと思ってしまった。

こんなこと言われたら、期待するに決まっている。

心の中では、

小さくガッツポーズ。

「ついにきた!」

「今日は何か決まるかも・・・!」

新人だった私は、

浮き足立っていた。

そして、

当時の自分が“ベスト”だと思う商品を、

勢いよく紹介し始めた。

メリット。

金利。

将来の試算。

当時覚えた知識を総動員。

今なら絶対にしない、

“トッピング全部のせ”プレゼンである・・・

そして、

結果はあっさりお断り。

・・・・・・。

なぜ?

何がダメだった?

当時の私は本気で分からなかった。

でも今、

20年以上営業をしてきた自分が振り返ると、

理由はよく分かる。

私は、「お客様のため」に話していたつもりで、

実は、「自分が売りたいオススメ」を熱弁していただけだった。

結局、自分目線のわがままな提案だったわけだ。

あんなに必死だったのに。

あんなに勉強したのに。

私は肝心なところで、

“聴くこと”を放棄してしまっていた。

◼︎「オススメありますか?」を、私は勘違いしていた

今なら分かる。

お客様が言った、

「何かオススメありますか?」

という言葉。

あれは、

「あなたが売りたい商品を教えてください」

ではなかった。

おそらく、

「今の私に合うものって、何ですか?」

という、とても優しい相談のサイン。

お客様は、私に答えを丸投げしたわけではない。

「一緒に考えてほしい」

そういう、“投げかけ”だったのだと思う。

でも、

新人だった私には、その温度を読み取る余裕がなかった。

質問する力もなかった。

経験もなかった。

だから、

「オススメありますか?」

「はい!これです!」(待ってました!)

と、一気に答えを出してしまった。

今思えば、そりゃズレる。

断られて当然だったってわけだ。

◼︎営業が苦手な新人だった私が、今ならどう返すか

もし今、

お客様から、

「何かオススメありますか?」

と聞かれたら。

私は、いきなり商品を紹介することはしない。

まず、「お客様にとっての“オススメ”は、目的によって変わります。」

そう伝える。

そして、「まずは、何を大切にしたいか、一緒に整理してもいいですか?」

と聞く。

そこから、ゆっくり話を聴いていく。

今、

何に困っているのか。

何を不安に思っているのか。

お金を増やしたいのか。

それとも、

減らしたくないのか。

どれくらいの期間を考えているのか。

将来、

どんなお金の使い方をしたいのか。

今とこれからの間に、

どんなギャップがあるのか。

何がその未来を邪魔しているのか。

そういうことを一緒に整理していく。

その上で、

「その未来を実現するために、この商品をどう使えるだろう」

と考える。

“売る”

ではなく、

“一緒に考える”。

20年以上営業をしてきて私は少しずつ、

そんな営業に変わっていった。

◼︎営業が苦手だった私が、あの日の失敗から学んだこと

新人の頃の私は、

「正しい商品説明すれば、売れる」

と思っていた。

だから、

商品の知識を覚えた。

メリットを覚えた。

金利を覚えた。

将来の試算も覚えた。

そして、

覚えたものを全部話した。

でも、今なら分かる。

お客様が求めていたのは、

“正しい答え”ではなかった。

“自分に合った答え”だった。

そして、

その答えを一緒に探してくれる人。

そういう人を求めていたのだと思う。

営業が苦手だった私は、

新人の頃、

「何を話せばいいんだろう」

と、ずっと考えていた。

でも、本当は逆だった。

「何を話すか」より、

「何を聴くか」。

それに気づくまで、ずいぶん時間がかかった。

◼︎「オススメありますか?」は、営業にとってチャンスであり、罠でもある

今でも、

「オススメありますか?」

という言葉を聞くと、

新人時代のあの日を思い出す。

あの頃の私は、

「ついにきた!」

と思った。

今なら少しだけ立ち止まる。

「なぜ、そう思ったんだろう?」

「何かきっかけがあったのかな?」

「今、何か困っているのかな?」

そう考える。

そして、

まず聴く。もしかすると、

「オススメありますか?」

という言葉の奥には、

本人もまだ言葉にできていない、

何かが隠れているかもしれない。

だから私はこの言葉を聞いたときほど、

焦って商品を出さないようにしている。

あの日の自分とは、

目線が違う。

◼︎あの時、断られてよかったのかもしれない

新人時代のあの失敗は、

私にとって苦い記憶だ。

せっかく、

「オススメありますか?」

と聞いてもらったのに。

私は、

お客様の話を聴かなかった。

自分が覚えた知識を、

一生懸命話した。

そして、断られた。

当時は、「なぜダメだったんだろう」

と、ずっと考えていた。

でも今思えば、

あの時、あっさり契約が取れていたら。

私はこの大切なことに、気づけなかったかもしれない。

「オススメありますか?」

と言われたら、商品を出す。

それが良いと思い続けていたかもしれない。

だから、

あの失敗は、私にとって必要な失敗だったのだと思う。

営業が苦手だった私が、

自分の営業を作っていく。

その最初のきっかけだった。

◼︎営業が苦手でも、自分なりの型は作れる

営業が苦手な新人時代。

私は、

話すのが苦手だった。

質問するのも苦手だった。

自分から踏み込むことも苦手だった。

だから、

「営業に向いていない」

と思っていた。

でも、そんな私にも、

できることが一つあった。

聴くこと。

最初は、

それしかできなかった。

でも、それしかできなかったからこそ、

お客様の話を聴くことを覚えた。

話を聴いて、

考えて、

また聴く。

そうしているうちに少しずつ、

自分なりの営業の型ができていった。

営業が得意な人の真似をしても、

上手くいかないことがある。

私も何度もそうだった。

だから、もし今、

営業が苦手で悩んでいるなら。

無理に誰かのようになる必要はないのかもしれない。

話し上手じゃなくてもいい。

雑談が上手くなくてもいい。

営業が得意じゃなくてもいい。

自分にできることを、

一つずつ探していけばいい。

私の場合は、

それが「聴くこと」だった。

そして、

20年以上経った今でも、

営業はしんどい。

辞めたいと思う日もある。

「また、朝か・・・」

と思う日もある。

それでも、

新人時代の自分よりは、

ほんの少しだけ、

営業との付き合い方が分かってきた。

ほんの少しだけ。

そして、今日も何とかやっている・・・

営業が苦手でも。

自信がなくても。

失敗しても。

もしかしたら、

そこから自分なりのやり方が見つかるかもしれない。

私もまだ探している途中。

だから、今日も何とか乗り切る。

一緒に、生き残りましょう。

サラリーマン金八郎

金融機関勤務20年以上|営業・人材育成|社内コンテスト全国優勝|40代会社員

営業が苦手で、

毎朝布団から出られない。

それでも家族のために、

今日も会社へ行く。

そんな普通の会社員です。

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